こんにちは、芦屋まにわ歯科院長です。
前回のブログでは開院1周年を迎えることができた感謝についてお話ししました。
今回は、私が歯科医師として大切にしていることの一つである「患者様と長く関わること」についてお話ししたいと思います。
10年以上のお付き合いになる患者様
多くの患者様にご来院いただいていますが、その中のお一人に前の勤務先から引き続き当院へメインテナンスに通ってくださっている患者様がいらっしゃいます。
この患者様との経験は、私にとって歯科医師人生の中でも特に印象深い経験の一つです。
私は前の勤務先である神戸市北区の歯科医院に10年以上勤務しました。
その患者様は、私が歯科医師2年目の時にインプラントを含めた全顎的な治療を担当させていただいた患者様でした。
前の勤務先では数多くの全顎的治療を経験させていただきましたが、おそらくその患者様が最初の症例だったと思います。
その患者様は現在70歳を超えていますが、今でも電車で1時間ほどかけて当院へメインテナンスに通ってくださっています。
勤務時代の最後の頃、メインテナンスで来院された際に私は開業する予定であることをお伝えしました。
今まで本当にありがとうございました、という感謝の気持ちをお伝えするためでした。
すると患者様から、
「迷惑でなければ、先生のところに行ってもいいですか?」
と言われました。
その時の光景は今でも鮮明に覚えています。
私は年齢を重ねていくその患者様のことが心配だったため、
「本当に無理をしなくて大丈夫ですからね」
とお伝えして、その日は終わりました。
しかし開院後にお電話をいただき、本当に来院してくださることになった時は驚きました。
当時の私は歯科医師2年目でした。
技術も知識もまだまだ未熟で、毎日のように院長に指導を受けながら診療をしていました。
その患者様にも入れ歯治療や外科処置を含めてさまざまな治療を頑張って受けていただきました。
その時に作製した総入れ歯は人工歯がすり減りながらも良好な吸着を維持しており、患者様も作り替えを希望されていないため、現在も使用されています。
また、天然歯とインプラント部分も歯間ブラシを用いて丁寧に清掃されており、長年にわたり良好な状態を維持されています。
歯科医師は患者様の人生を変えることができる、とよく言われます。
この症例は、私自身が患者様の健康的な人生に貢献することができたと実感できた最初の症例でした。
ただ当時は、その治療が患者様の人生に与える影響の大きさを十分に理解できていたわけではなく、目の前の診療に必死に向き合っていました。
寡黙な患者様ですが、10年以上の時を経て
「先生の医院に通いたい」
と言ってくださった時に初めて
「あの時、一生懸命治療してよかったな」
と思いました。
自分なりにコツコツと積み重ねてきたことが報われたような気持ちになった症例でした。
もちろん、この10年間まったく問題がなかったわけではありません。
それでも私を信頼し、今も通い続けてくださっていることに感謝しかありません。
このような経験を重ねるたびに、患者様と長く関わることの大切さを実感します。
また、近年では、セカンドオピニオンや他院での再治療、インプラント周囲炎によって失われた組織の再建治療など、以前よりも複雑な症例をご相談いただく機会が増えてきました。
根管治療専門医の先生方からご紹介いただくこともあり、エンド病変を有しながら噛み合わせにも問題を抱えるような難症例を担当させていただくこともあります。
正直なところ、歯科医師としてはそのような複雑で対応の難しい症例に出会うと身が引き締まる想いになります。
どの先生でも対応が難しいような症例であっても、患者様にとってより良い選択肢をご提案できるよう、これからも知識と技術を磨き続けていきたいと思っています。
患者様に支えられて今がある
当院には、福島から通ってくださる患者様やニューヨークやハワイから一時帰国の際に来院してくださる患者様もいらっしゃいます。
勤務医時代の私は今振り返ると未熟な部分も多かったと思います。
それでも多くの患者様に支えていただきながら経験を積み、さまざまな場所で発表や講演をさせていただけるようになりました。
歯科医師として少しずつ成長することができたのは、ひとえに当院を大切に思い、信頼してくださる患者様のおかげです。
本当にありがとうございます。
これからも患者様にとって価値ある医院であり続けられるよう、日々研鑽を重ねてまいります。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。