歯科コラム

Column

天然歯の優位性③

2025.07.10
天然歯の優位性③

しかし、その一方で歯を残しすぎることの問題も同時に考えなければなりません。

というのも、歯を抜かないことが美学になりすぎると、なんでも残すようになります。私にもそういう時代がありました、何がなんでも残す、ボロボロの歯だったとしても、みたいな時期です・・・・^^;

では、なぜその治療が微妙か、ということです。一見、天然歯を残す、という点ではすごく素晴らしい選択にも思えます。しかし、そのポリシーが強すぎることにより本来保存に適さない歯を残すことを選択した結果、将来的に問題が起こった際に次の一手が複雑になることがあるからです。

保存に適さない歯を残し強引にブリッジにした結果、1年持たずにそのブリッジが破折してきて、抜かなければならない、そのような状況です。

つまり、歯科医師のエゴ、そして患者様の過度の天然歯の保存への期待が強すぎる結果、なにか問題が生じた時にその次の一手がかなり複雑なものとなるのであれば、そもそもの治療計画として十分でなかったことが考えられます。特に患者様はその治療の予知性、将来性がわからない分、なんとなく長く持つだろう、おそらく条件悪いとは言え10年くらいは持つだろう、と安易に考えます。もちろん、私たち歯科医師もこの歯が長期的に持って欲しい、と安易に考えてしまいます。実際には、その部位の横の歯の状況などにより喪失の割合も変わることはわかっています。神経を取っている歯が横にある状態のブリッジであれば、神経を取ってない綺麗な歯でのブリッジに比べてその両隣の歯の喪失の程度が上がることはわかっています。そのためそのような将来的に不安な歯を過度に残すような治療計画の場合は、抜歯もやはりその選択の一つとしてなってきます。そのため、重要なことは、歯科医師はできる限り歯を残すことに懸命になりながらも、またそのもう一方でその歯を残すことでの将来的な介入の是非を常に考えていなければならない、ということです。

そのために考えなければならない重要なポイントとしては、治療の介入のタイミングだと考えています。「抜く」か「残す」かの分かれ道を考えた際に、早期発見・早期治療に勤めながらできるかぎりその歯が難しい状況になる前に治療介入を行うということです。私たち歯科医師も患者様も基本的には積極的な治療介入を望まないことが多いように感じます。もちろんそれで問題なく過ごしていく症例も経験しますが、基本的に感染を呈する歯がその状況改善を行わないのに、その歯の状態が良くなることは考えにくいです。あくまで、細菌感染は残っているものの、ただ症状が出ていないので積極的に治療介入を行っていないにすぎません。それで、良くなればいいのですが、実際にはなかなかそううまくいきません。そのため、その治療介入のタイミングや歯の状況を丁寧に患者様に伝え、治療介入の必要性を患者様に伝わるように伝えることが重要だと私は考えます。

当院では、口腔内の全体的な情報を患者様にお話しすることもおおいですが、1歯ごとの歯の保存の可否についてもしっかり説明していきます。
そして、治療介入の必要性、そしてそのタイミングに関しては患者様にわかりやすく伝えれたらと思います。
もし、なにかわからないこと知りたいことがあれば当院に来院され遠慮されずに質問されてください。

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