歯科コラム

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天然歯の優位性②

2025.07.09
天然歯の優位性②

それにたいして、一度組織の喪失をおこなってしまった状態を元の状態と同じ状態にまで回復することは並大抵の努力ではありません。垂直的に2mmの組織の喪失がおこなった状況に対して、2mm程度垂直的に組織を増やすために、世界の多くのトップデンティストが躍起になっています。しかし、天然歯がのこっていれば、基本的には組織の喪失の程度は抑えられ、また喪失していたとしても、その組織の回復やその方法はそこまで複雑なものではありません。

つまり、ご自身の天然の歯に勝るものは、ないということです。

もちろん、すでに歯を失ってしまった方にとって、インプラントや入れ歯は素晴らしい治療法です。

ですが、残せる歯があるなら、できるだけ抜かないことがベストだと考えます。

特に私は勤務時代からさまざまな治療を行ってきました。その中で分かったことは多少条件が悪い歯であったとしても、感染を除去し適切に治療を行うことができれば、歯は残るということでした。そして、歯を抜けば抜くほど、骨造成や軟組織造成などでの組織の再建はとても難しいものになっていき、その難易度は格段に上がっていくということでした。

そのため、まずは最初に天然歯の保存が可能かどうかを考えることが最初の分岐点となります。そして、その歯が残る、または残す価値がある歯だと判断すれば、そのとき自分がもてる知識と技術を提供し、そして必要であれば再生療法などの外科処置を行い失った組織の回復を行い、また根の中に膿があるような症例では安易に抜歯を選択せずに根管治療を行うことで根の中の感染を取り除いていきます。治療しながら感染を取り除いていき、都度その歯が残るかどうかを評価しながら最終的に保存の可否を判断していくことが正しいと考えています。

もちろん、その歯を残すことのメリット・デメリットは常に考えなければいけません。特に歯があまりに薄くペラペラな状態であれば、今後その歯が破折などで喪失してしまうリスクもあります。また、明らかに歯周病の問題がつよく、歯がぷらぷらで引っ張ったら抜けそうな歯なのであれば、さすがにその保存は難しいのではないか、と考えています。逆に言えば、そのくらい条件が悪い歯でなければ、その歯を抜く必要が絶対ではないかもしれません。意外に歯は残るのです。例えば、根の中に膿がある症例だったとしても、根管治療で根の中の感染を取り、またそれでも治らなかったからといって諦めて抜歯するのでなく、外科的に根の先の膿を切除することでその天然歯を残すことができます。

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