
こんにちは、今回芦屋で6月に開業する馬庭と言います。
前回に引き続いて、矯正治療の様式についてお話しします。
前回までは、矯正治療が始まった際の患者様のモチベーションの部分についてお話しさせていただきました。
多くの患者様は、矯正治療が始まった瞬間から、矯正治療を外す時期を探っているという話です。悲しく寂しいことですが・・・。
ただ、これに関しては、わからないこともありません。というのも、お口の中にいきなり装置が入り、ワイヤーであれば、24時間それをつけなければならないし、マウスピースであったとしても22時間くらいつけることを推奨されています。また、人生の中でお口の中にそのような器具が入ったことはもちろんないので、装置の一部が当たって口内炎になったり、また、器具が飛び出したりしてしゃべりづらかったり、患者様の不快感になることも少なくありません。マウスピース矯正でも、気づいたらつけるのを忘れていたり、またテーブルに置いていたら犬にかじられて壊れて使えなくなった、なんてこともよくあります。
その中で、徐々にモチベーションが下がってきて器具をはずしたくなったり、またマウスピースをつけなくなったりなど、患者様の協力度が下がっていくこともあるのですが、それに対する改善策は、やはりモニタリングでこまめに患者様の状態を把握することだと考えています。
患者様自身もDrと二人三脚で治療している、という高いモチベーションの中で治療することができるため、モニタリングはそのモチベーションの部分にも十分に配慮した治療方法だと考えています。もちろん、小さいエラーが生じた段階でそれを見つける、というのがそのモニタリングの本来の目的なのですが、私は、マウスピース矯正の成功においてはこのコンプライアンスの高さをどう維持していくか、どう協力度を維持していくか、がその症例の成功の鍵を握っていると、考えています。
つまり、今までのことをまとめると以下のようになります。出っ歯さんなどの口元の改善にはその方法としては、ワイヤー矯正が第一選択となること、また、そこまでガタガタが大きくない症例であればマウスピース矯正の適応であること、そして、出っ歯さんの口元の改善やがたがたの改善もしたい、また見た目や清掃性を落としたくない、ということであれば、最初の時期はワイヤーで乗り切って抜歯矯正を行いその後マウスピース矯正に移行、またしっかりモニタリングができるかつコンプライアンスの高い患者様には、適応症例をすこし超えるような症例であったとしてもマウスピース矯正で治療も可能、大体このような形で考えています。
重要なのは、患者様の主訴と、患者様のゴール設定がどこにあるかをしり、そしてそのゴール設定を患者様と共有した段階で治療を開始する、ということだと思います。当院では、しかりした診断のもと、治療を開始していきます!お口の中でなにか相談があればぜひとも連絡をお待ちしております!