
こんにちは、今回芦屋で6月に開業する馬庭と言います。
前回に引き続いて、矯正治療の様式についてお話しします。
前回は、マウスピース矯正のメリットは、その見た目の良さと清掃性にあることを説明させていただきました。
そのため、以前のお話を含めの総括としては、矯正治療において、その治療法の選択に関しては、一般的には抜歯矯正であればワイヤー、マウスピース矯正であれば歯を抜かない軽度な歯のガタガタとかがその対象になってくるのが通常の治療選択となりますが、そこに最終的には矯正治療期間中の見た目の問題や清掃性、そして患者様の主訴の部分に対しての改善がその装置でできるかが、その治療方法の決定方法となっていきます。
重要なことは、そのどちらの選択肢を持ったDrに治療をしてもらうことだと私は考えています。ワイヤー治療を行うこともできるし、マウスピース矯正を行うこともできる。そして、おのおののメリットデメリットを理解した上で、どちらの治療も併用しながらハイブリッドな治療もできる、などです。実際に、明らかに叢生が強く、そして出っ歯さんなどで抜歯でしか口元の改善を行うことができない症例であれば、ワイヤーをつかってある程度のところまで歯を動かして歯が倒れたりする難しい時期をワイヤーで対応し、残りの歯をきれいに並べたり後の部分は、マウスピース矯正を使うこともあります。
このようにさまざまな治療オプションを提案することが重要だと私は考えています。
また、その上で、最近私が注目しているのは、モニタリングという考え方です。このモニタリングとは、患者様がしっかり器具をつけたりできているのかを毎週チェックする方法です。これは、インビザラインなどのマウスピース矯正で行われている方法となります。
これは、私の中では、とても良い方法であると思っていますし、これをそのDrと患者様が使いこなすことができれば、マウスピース矯正の症例の適応の拡大も大幅に可能だと考えています。
なぜかというと、1週間ごとにそのマウスピースがはまっているかどうかを患者様が写真をとってそれをDrが確認し、また近年ではAIの力などを使ってそれを可視化することにより、より小さい段階でのエラーを見逃すことがないようにそのシステムが組まれるようになってきています。そして、そのメリットはそのような小さい段階でのエラーを感知するだけでなく、患者様のモチベーションの維持にも貢献していると思います。患者様は、矯正治療をつけた瞬間から、いつこの矯正治療装置が外れるのか、そればっかりを気にするようになります。また、当初は、2年、3年の矯正治療の期間であったとしても、矯正治療が開始する前までは、高いモチベーションを持って早く矯正治療をしたい!となるのですが、いざワイヤー矯正が始まり、マウスピース矯正が始まると途端にいつこれははずれるのですか?となることもしばしばです。その辺は、お子さんの方が意外にすんなり受け入れてくれたりします。