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こんにちは、今回芦屋で6月に開業する馬庭と言います。
前回に引き続いて、矯正治療の様式についてお話しします。
前回は、十分なお口元の改善には、抜歯してワイヤー矯正の方がいいかな、ということを伝えさせていただきました。
というのも、私たちワイヤー矯正を行ってきたDrからすると、ワイヤー矯正の方がゴムをかけたり、ワイヤーを曲げたりなど力の伝わり方が可視化できるので、私たちDrもその力のコントロールをしやすい、というのがあります。昔からある方法なのでやはりこれはこれで優れた方法となります。しかし、このワイヤーでの矯正ですが、デメリットとしては、やはりその清掃性になります。得てして、マウスピース矯正よりも口の中にブラケットやワイヤーなどの器具が多く装着される傾向となり、結果的には、清掃性の確保がむずかしいこともあるので、2、3年の治療後の虫歯の発生などには十分に気をつける必要があります。
次にマウスピース矯正についてです。
マウスピース矯正での抜歯矯正は難しいのでしょうか?もちろん、マウスピース矯正でも抜歯矯正はできますし、実際行ってきました。それもなかなかハードな症例をしてきました・・笑。そのため、できないわけではありません。もちろん、なかなか大変で患者様の十分な協力が必要となりますが・・・。
ただ、一般的な適応としては、マスピース矯正に関しては、大きな歯の移動を伴わないような症例や、過度なガタガタでなければ、その対象として考えることが多いと思います。もし矯正治療の治療計画を抜歯矯正で考えて、その抜いたスペースに歯を動かすような治療計画を立てかつその治療をマウスピース矯正で行う際は、マウスピース自体がたわんだりとかして、抜歯スペースに歯が倒れたりすることを経験することもあり、マウスピース矯正独特の難しさを経験することもあります。ワイヤー矯正では、ワイヤー自体にゲーブルベンドと呼ばれる力をかけることで、歯が倒れ込むことがなくその移動が行われたため、あまり深く考える必要がありませんでしたが、マウスピース矯正の場合は、その抜歯したスペースに歯の頭だけが動いて、根の方の動いていないことから歯の倒れ込みが生じることもあるため、マウスピースの動かす順番などに配慮して、その倒れにくいメカニズム、ステージングを考える必要があります。以上のように、マウスピース矯正の弱いところ、注意しておかなければならないところを説明させていただきましたが、マウスピース矯正にはそれを上回るメリットがあるとも思ってはいます。それは、やはりその見た目と清掃性にあると思っています。1週間に一回くらいのマウスピースの交換になるため、ワイヤー矯正に比べて清掃性は良いですし、そして見た目もワイヤーに比べて格段に良いです。