根面被覆の治療

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根面被覆の治療

2025.04.11
根面被覆の治療

こんにちは、今回芦屋で6月に開業する馬庭と言います。

前回は、根面被覆の病因論についてお話ししましたが、今回は、それに対する治療法についてお話しします。

前回もお話ししましたが、歯茎が下がっているのが気になる症例に関しては、まずはその原因を追求する必要がある旨を説明させていただきました。

その中で患者様が変えることができることとしては歯ブラシなどのブラッシング圧のコントロール、そして変えることがむずかしいものとしては患者様が本来持っている歯ぐきの厚みや骨の厚みであることを説明させていただきました。そしてそれを改善するには、歯ぐきの移植などによってその退縮部分、もしくはその周囲の厚みが薄くなって将来的に歯肉の退縮が進む可能性のある部分に対して、その歯ぐきの厚みを増すことによってその退縮部分の改善や将来的なさらなる歯肉退縮の予防ができることを説明させていただきました。

今回は、外科処置を行うことによって積極的にその歯ぐきの厚みを変える処置について説明します。

近年になり、さまざまな外科的な方法で論文にて発表されています。その中で昔に比べて切開の範囲が少なくなったこと、また切開を加えるとしてもその場所ができるかぎり目立ちにくい部分に切開を入れるような術式が多く出てきたような印象を持ちます。

この分野はとても繊細な分野となり、雑に行えば行うほど、組織に対するダメージが多くなり、術前より状態が悪くなる可能性があります。そのため、私はルーペや顕微鏡など拡大視野下での治療がマストだと考えています。

歯ぐきの厚みを増やすやめには、歯ぐきの移植を行い、そこの厚みを増やす必要があります。通常その採取場所としては、上顎の内側の部分から採取することが多いです。欧米では、患者様自身の天然の歯ぐきの代わりに人工材料を使うことも報告されていますが、改善はあるものの、その効果は天然歯のそれに比べて、若干限定的なものになっていることが報告されています。そのため、ある程度確実な結果を得ようと考えた際に、患者様自身の歯ぐきの移植を考える必要が出てきます

また、元から歯周病を有する人のその外科処置においても、その結果が歯周病の問題を有しない健全な骨の状態の患者様に比べて、その結果が限定的なことがわかっています。

以上のように、拡大視野下での治療の必要性、また歯周病を有する人の歯肉退縮でのゴール設定や、代替材料の使用など、歯肉退縮の治療の成功のためには、さまざまなことを考慮する必要がありますが、重要なのは、どこにゴール設定をもっていくか、というゴール設定を患者様と共有できているか?ということだと私は考えています。

患者様が歯ぐきがさがっていることを気にして、かつそこの骨の状態があまり良くないのであれば、やはりそのゴールは限定的なものとなる可能性があります。
重要なことは術前にその事実を伝えてその上で治療介入をすれば、お互いのゴール設定が明確となった段階で治療介入ができるのではと考えています。
このように歯ぐきがさがって気になる方がいれば、相談していただけたらと思います。

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