
こんにちは、今回芦屋で6月に開業する馬庭と言います。
今回は、インプラントの術式の変遷についてお話しします。
今からお話しさせていただく内容に関しては、それぞれ歯科医師の考え方なども反映されるため、絶対の答えではない、ということを最初に言っておきます。
通常インプラント治療を選択する際には、4つのステージが存在すると言われています。
歯を抜いて同時にインプラントを埋入するタイミング、歯を抜いて2ヶ月くらい待ったのちにインプラントを埋入するタイミング、3ヶ月くらい待ってインプラントを埋入するタイミング、抜歯して6ヶ月くらい経って十分に骨が治癒してインプラントを埋入する、この4つのタイミングが存在すると言われています。
昔は、十分は骨の治癒期間を待ったのちに、インプラントを埋入する遅延埋入というものが一般的ではありましたが、近年になりインプラント埋入のタイミングはより早期になっている傾向があると思っています。
最近では、歯を抜いてそのままインプラントを埋入する治療も多く選択される傾向にあり、なんならまずは、抜歯即時でのインプラント埋入を計画する傾向があるように思います。
これに関しては、賛否があるのは当然ですが、患者様のメリットとしては、治療回数が少なくこと、治療期間が多少少なくなること、があげられます。
近年になり、即時にインプラントを埋入したケースと遅延埋入のインプラントを比較した論文も出てきていますが、その生存率はほぼ同程度であることがわかってきています。
そのため、治療期間や回数のことを考慮した際には、できるかぎり即時でのインプラント埋入を選択する方が術者、患者様にとってメリットがある治療と思われます。
しかし、同時にインプラントにまつわる合併症などは、即時インプラントを選択した方が多いことも報告されており、必ずしも即時のインプラントが唯一の正解でないことも報告されています。
骨の十分な治癒を待った上でのインプラント埋入は確実な反面、治療期間・治療回数が余分にかかり患者様にとってこれもまた毎回ベストな選択肢になるか、と言われればそうでないかもしれません。
そのため、重要なことは、骨の形態やインプラントの形状、そしてインプラントのシステムを理解し、その上で最終的にインプラントの埋入のタイミングを決定していくことが重要だと考えています。
そして、その治療のメリットデメリットを患者様と共有することにより、最終的にその治療を選択するかどうかとなります。
当院では、十分に治療説明をした上で、治療に臨んでいきたいと思っております。
もし、なにかお口のことで悩みがあれば、お気軽に相談していただければと思います。