
はじめまして、6月に芦屋にて開業する『芦屋まにわ歯科』の馬庭陽子です。
ブログを書くのは初めてで、とても緊張します。
つたない文章ですが、気軽に読んで頂けると嬉しいです。
今日は、芦屋まにわ歯科のホームページやインスタで皆さまが目にする「障害者歯科」についてお話しさせてください。
皆さまは障害者歯科をご存知でしょうか。
名前を聞いただけでは、イメージがつきにくく、とても特殊な分野と思われるかもしれません。
障害者歯科は大学によってはスペシャルニーズ歯科と呼ばれています。身体や精神の障害や疾患等により、歯科治療を受けるに際に特別な支援や配慮を必要とする方の治療を専門とします。患者さま一人ひとりにあった支援の方法を、患者さまご本人とそのご家族や介助されている方に様々なお話を聞いて、歯科医師・スタッフと一緒にその支援方法をオーダーメイドします。
その方法は、治療中に患者さまがリラックスできる体勢を工夫したり、いつも聞いている音楽やDVDを流したり、使用する機器や治療内容を絵にした絵カードを手順に沿って事前に見て頂いたり、終わりがわかりやすいように数をかぞえたりタイマーを鳴らしたりと様々です。薬物療法や全身麻酔もあります。
歯科治療内容はもちろん、入室の様子や診療台への座り方、支援方法は皆で共有し、次回も患者さまが安心して治療が受けられるようにします。
このように歯科治療を受ける患者さまを中心とし、皆で一丸となってサポートをする現場に初めて携わった時の感銘を、私は今でも覚えています。
私は歯学部に入学し、授業で障害者歯科を初めて知りました。しかし、その頃はこの分野を専攻したいとはまだ思っていませんでした。研修医を始める前は審美歯科に興味があり、研修終了後は開業医への就職を考えていました。そこで研修は大学でしか学べないものを学ぼうと思い、1年間の研修期間のうち3ヶ月間障害者歯科に配属するコースを選択しました。このたった3ヶ月間の研修期間であっという間に私は「障害者歯科」という分野に魅了され、その後この分野を専攻して大学院に進学し、日本障害者歯科学会認定医を取得致しました。
私は障害者歯科が障害や疾患等を持った方だけの分野だとは思っていません。
歯科治療を受けることが得意という方は少ないと思います。多くの方が、何をされるのだろう、いつ終わるのだろう、痛いことをされるのではないかと体に力が入り緊張されているのではないでしょうか。不安や恐怖心の強い方は歯医者に行くのが億劫で、気になることや痛みがあっても放置されている方もいらっしゃると思います。お子さまは、歯医者は怖いところ、と認識しているはずです。
お子さまや歯科治療にトラウマがある方には、いきなり虫歯治療や時間のかかる治療から始めるのではなく、歯ブラシをしたり、お口の中に機器を入れるトレーニングをして、まずは歯科医院に慣れて頂きます。
(当院では、薬物療法や全身麻酔の設備がまだ整っていませんので、必要な患者さまには紹介をさせて頂きます)
また、痛みが出てから歯医者に行く、ではやはり歯科医院が苦手な場所であり続けます。症状がなくても、数ヶ月ごとの定期検診を受けることで虫歯や歯周病を予防し、歯科医院は歯のお掃除をしてお口をきれいにする場所になってくれると思います。
中には歯医者自体は怖くないけど、口にものが入るとオエっとなりやすい、腰が痛くて診療台に横になるのがつらい、めまいが起こりやすい方もいらっしゃると思います。その場合は体勢や治療内容を工夫させて頂きます。
「歯科治療を受ける際にこういうところに配慮してほしい」という意見は多くの患者さまがお持ちだと思います。患者さま一人ひとりのニーズをお聞かせください。
私は障害者歯科の専門性を活かし、誰もが安心して歯科治療を受けられる環境の支援を行います。
「芦屋まにわ歯科」は皆さまにとって身近で、どんな時でも行きたいと思っていただけるクリニックになることを願っております。