
そのような停滞していた時間ですが、私の場合は、KaVoというチェアーメーカーの田村さんとの出会いからその停滞していた開業への歯車が動き出した気がしています。その方は、私の小さな疑問に対してもすぐに動いてくれて、私の開業に対するささいな疑問に対しても、愚直に真摯に動いて対応してくださりました。
また、関西で有名な歯科医院である山田兄弟歯科の設計に携わったSunia一級建築事務所の津田さんを紹介していただいたこともまた開業への歯車がより加速していたきっかけとなったと思っています。
津田さんが作り出す建物や内装が素晴らしいのは当然ですが、人間性や言動、行動など全て信頼できる方だったため、この方にもさまざまな質問をしてその都度答えていただきました。二人の貴重な時間を私の些細な疑問や悩みに使っていただき、今でも感謝してもしきれません。
このようにこの二人の方に出会うようになってからいままで停滞し、頓挫していた開業がどんどん動き始めた気がします。私は、あまり縁とかそういうものを信じない性格ではありますが・・・・、少なくとも開業に際しては、さまざまな人との縁を通じてから、いろいろなことが進むようになりました。というか、おそらく周りを支える人たちが揃わないと、進むものも進まないのだろうな、といまでは思っています。
そして、その時期くらいに、もう一人私に影響を与えるくれる人と出会うことができました。大阪Nao歯科・矯正歯科の南野卓也先生に紹介していただき、HANA intelligence歯科・矯正歯科の植田憲太郎とお話しさせていただく機会を得ました。
私は、そこでかなりの衝撃を受けました。デジタル技術を用いた臨床はすばらしいのはもちろんでしたが、私が感銘を受けたのは俯瞰的に物事をみれる視点とその未来を見据えた視座でした。当時の私にはない視点で、そこから歯科の未来を見据えたものの見方をするようになりました。同世代の先生ですが、現在でも多くの影響を受けています。今回開業に際し、植田先生のMelos矯正の提携医院としても関わっていただきます。
その頃になると、私の診療へのフィロソフィーも固まってきました。
私はやはり綺麗で繊細な治療を提供したい、できれば顕微鏡を用いた治療を行い患者様が何をおこなったのかわかるように理解できるようなシステムを構築してそれを患者様に還元できるようにしたい、と思うようになりました。
フィロソフィーが固まり、それを支える人が揃い出すと、そこからは今回の開業場所と出会うのも時間がかかりませんでした。
JR芦屋の駅前の賑やかで活気のある場所が好きになり、かつ芦屋の方だけでなく近隣の住民の方も電車を使えばアクセスできるような便利な場所にあるため、ここでは私の想いが体現できると思い、この地で開業することとなりました。